ブラウン管の中の彼女











「……仕事の時間…いいの…?」














「あああぁ――っ!!」


仲紗は耳を塞いでいた。


「もっと早く言ってよ――!!」


実早は慌てて支度をした。


「…何度も言った…」


「聞こえてないなら一緒だよ!!」


まったく!!


自分が今日は撮影ないからって余裕過ぎ!!


「じゃあまたスタジオで!!」


実早は仲紗に手を振るとそそくさと香川ちゃんの待つ校門に向かった。

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