ブラウン管の中の彼女
香川ちゃんは校門前で待ちくたびれていた。
「実早さん、遅いですぅ…」
運転席で軽く目をこする香川ちゃん。
「ごめんね?仲紗と話し込んじゃった~」
実早は素早く助手席に乗り込んだ。
「実早さんも仲紗ちゃんもスタジオ行けば会うじゃないですか~。同じドラマにでてるんですから。」
そう!!
実早と仲紗は同じドラマで共演中なの♪
もちろん実早が主役よ?
「いいでしょ!?話し足りないんだもん♪」
だって女の子だもん★
「世間ではクールービューティーと呼ばれてる仲紗ちゃんを相手に好き勝手喋るのだけなのに…?」
実早は香川ちゃんのほっぺたを思いっきりつねってあげた。
「は~い♪ちゃんと集中して運転してみよっか~?」
「ひゃい…」
香川ちゃんは半泣きになりながら運転に集中し始めた。
車に乗るとすぐに眠たくなってしまう実早はすぐにウトウトしてしまった。