誘惑Baby
「ん……」
目覚めると、暖かい日差しが部屋に差し込んでいた。
ふと、時計に目をやるともう10時を過ぎていた。
「あ、やべ。支度しよ」
ベッドから出ると、携帯がチカチカしていることに気づいた。
メール一件と着信一件。
着信は母親からで、メールは優子からだった。
―――――――――――――
大学行ってきます(*^_^*)
―――――――――――――
なにかあったんじゃなくて良かった…。
俺は、ほっと胸をなで下ろし携帯を閉じた。
母親には、後で連絡しよ……。
あくびをしながら、洗面所に向かった。
……――――
♪♪〜♪
支度をし終えて、テレビを見ていると携帯がなった。
「もしもし」
『あっ陽平!終わったよ!』
「ん、わかった。今から行くよ」
『あっ、あのね陽平!』
なにか、慌てたように優子が声をあげる。
「ん?」
俺は、車の鍵を取って家を出ながら答える。
『………』
「優子…?」
何の返答もない。
『…あとでっ、話したいことあるんだ…』
やっと絞り出したようなか細い声で、震えた声でそう言うから。
少し、心に不安が過ぎる。