誘惑Baby
「そ。狙うのは…決まって大学生。」
「おいおい…」
捕まるまで家まで送った方がいいな。
そんなことを考えながら、1日を過ごした。
――――…
授業が全て終わり、いつものベンチに一樹と向かう。
「あっ、きたきた!!」
俺たちに気付いた優子と坂井さんが手を振った。
無邪気な笑顔に、なんだか胸が熱くなる。
いつまでも、こんな新鮮な気持ちになれるって幸せだ。
「待った?」
「んーん、大丈夫!」
にこっと可愛らしい笑顔を向けて、俺の手を握る。
「じゃあねー、美希!!」
「ばいばーい!!」
一樹と坂井さんと別れると、俺たちは歩き出した。
「あ、優子。」
「んー?」
「今日から、家まで送る」
「??どして??」
真っ赤な鼻をしながら、俺を見上げる。
「物騒だから」
「…、心配?」
試すような、その目線に内心余裕を無くしながらも優子を見つめる。
「言わなきゃ分かんない?」
にやりとしてみる。
すると、ぽっと頬を染めて小さく「ありがと」と呟いた。