誘惑Baby
――――…
「ここで、大丈夫」
優子の住んでいるマンションの目の前まで来た。
繋いでいた手をほどいて、頭を撫でた。
「ちゃんと、戸締まりしろよ。」
「うん」
「夜はあんまり外、出んなよ」
「うん!」
「なんかあったら、電話して」
「ふふっ」
「おい…」
心配して言ってる俺を、可笑しそうに笑う。
「ありがとう、ありがとう陽平」
ふんわり、優子は俺に笑いかけた。
簡単に、俺の心を奪ってしまうキミはずるい。
本当に、ずるい。
「ん、じゃあな」
ぐしゃぐしゃっと、頭を撫でてから来た道を帰ろうとした。
その時…