誘惑Baby


「おーす、陽平!!」

教室に入るなり、一樹と出くわした。

「おー、はよ」


一緒に席に着く。


「なあ、ニュース見たか?」

「ああ。二年前の事件と同一犯らしいな」


「そう。それさあ、確か被害者…「授業はじめるぞ」」

一樹の声に重なって、先生が入ってきた。


被害者がなんだよ…。




授業が始まって、聞けなかったその名前を、耳にするとき…。

もう手遅れだったことを、俺は全く気づいていなかった。








< 48 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop