誘惑Baby


胸のざわつきを消したくて、携帯を鳴らす。

でも、…出ない…。


「なんで、出ないんだよ…」

「今日、美希たち休みだよなあ…」


嫌な予感が、胸を埋め尽くす。

何度もかけてるうちに、授業が始まってしまった。


優子……。


不安で不安で、仕方ない俺は集中出来るはずのない授業を聞いていた。





その時…


ブーブー…


俺の携帯が震えた。

[着信 優子]


慌てて携帯を手に取る。

「も、しもし」

なるべく小声で、電話に出る。


『陽平?マナーモードにしてたから、気づかなかった!なにかあった?』

「あのさ、優子…お姉ちゃん居るの?」

『えー?居るよ。言ってなかった?百合っていうんだけど』


ドクン……



< 50 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop