誘惑Baby
「い、いま…どこ!?」
『え?!○○だけど…、それがね、さっきから後ろに誰かいるの…』
「えっ!?え、嘘?!」
『怖いから…、陽平に電話したんだけど…どうしよう?』
俺は慌てて立ち上がる。
嫌な、予感が…当たっているのか…何なのか。
どちらにせよ、優子が危ないかもしれない。
授業を受けるみんなの視線が俺に集まる。
「え、どした?陽平?」
「すみません!!!早退します!!!」
周りの目など気にせず、先生の言葉も何も聞かず、走り出していた。
「優子!?どっか…どっか店に入って!!今から行くから!!」
『う、ん。…分かった…』
震えた優子の声が、俺の嫌な予感を確実なものにしていった。