誘惑Baby
「あ、あたし…勘違い…」
「ひどいよなー。浮気者だとか、触んないでだとか。俺はずうっと、優子だけなのに」
嫌みったらしく、ぶつぶつと小言を言ってみる。
もちろんわざと。
冷たくすると、優子は大胆になるから、それが見たくてわざとからかう。
「傷ついちゃうよなあ…。」
優子に背を向け、1人キッチンに向かおうとする。
その時、
ペタペタと可愛い足音が聞こえたかと思うと、服を引っ張られる。
「ご、ごめんなさい…」
…キュン
自分からこうなるように仕向けたのに、不意打ちをくらう。
無意識であろう上目使いに、少し潤んだ瞳、困ったように下がった眉毛に、俺の服を控えめに引っ張られるなんて。
可愛すぎるっ!!!!!
(自分が正真正銘の彼女ばか 笑)
「嘘だよ…」
愛しすぎて、今すぐに襲いかかりそうなのを堪えながら微笑む。
「本当に?」
ちょっと頬を赤らめながら、尋ねる姿にまたもキュンキュンさせられる。