恋する手のひら
「秀平、足引きずってない?」
久美子の袖を引っ張って聞くと、彼女はそう?と首を傾げる。
「さっきのフリースロー、軽く決めたじゃん」
久美子の言う通り、秀平の動きは決して悪いわけじゃない。
でもほんの少し、だけど確実に秀平のスピードは落ちてる。
その証拠に、さっきまで難なく振り切ってたディフェンスに苦戦してるもん。
ブランクが開いた後の久しぶりのスタメン出場だし、疲れが出てきてるだけかもしれない。
気のせいならいいけど…。
不安を残したまま途中休憩に入った。
いても立ってもいられず、私は秀平の元に向かう。
「よぉ、実果。
今年のメンバーは結構やるだろ」
コート脇でスポーツドリンクを飲んでいたタケルが、私に気付いて声をかける。
まさか途中から秀平のことが気になってほとんど試合に集中できなかったとは言えず、私はとりあえず相槌を打つ。
「ところで、秀平は?」
いきなり秀平の名前を出したからか、タケルは少し不機嫌そう。
「忘れ物したとかで、控え室に行ったけど…」
嫌な予感がする。
タケルに付いてきてもらって控え室に向かうと、案の定、秀平が右足首をテープでがちがちに固定してるところだった。
久美子の袖を引っ張って聞くと、彼女はそう?と首を傾げる。
「さっきのフリースロー、軽く決めたじゃん」
久美子の言う通り、秀平の動きは決して悪いわけじゃない。
でもほんの少し、だけど確実に秀平のスピードは落ちてる。
その証拠に、さっきまで難なく振り切ってたディフェンスに苦戦してるもん。
ブランクが開いた後の久しぶりのスタメン出場だし、疲れが出てきてるだけかもしれない。
気のせいならいいけど…。
不安を残したまま途中休憩に入った。
いても立ってもいられず、私は秀平の元に向かう。
「よぉ、実果。
今年のメンバーは結構やるだろ」
コート脇でスポーツドリンクを飲んでいたタケルが、私に気付いて声をかける。
まさか途中から秀平のことが気になってほとんど試合に集中できなかったとは言えず、私はとりあえず相槌を打つ。
「ところで、秀平は?」
いきなり秀平の名前を出したからか、タケルは少し不機嫌そう。
「忘れ物したとかで、控え室に行ったけど…」
嫌な予感がする。
タケルに付いてきてもらって控え室に向かうと、案の定、秀平が右足首をテープでがちがちに固定してるところだった。