恋する手のひら
静かな拒絶
夕方、私は高校の側にある公園に向かった。
近所で唯一バスケットゴールのある公園だった。
タケルや秀平に付き合って何度も訪れた場所なのに、近付くに連れて緊張が高まっていくのはきっとそこに秀平がいるから。
近くまで来るとバスケットボールのドリブルの音が響いてくる。
私は深呼吸をした後、最後の角を曲がった。
公園には秀平が一人。
彼が放ったボールはゴールの枠に当たり、私の足元へ転がってきた。
私はそれを拾うと、
「試合の後で疲れてるのにごめんね」
やっとのことでそれだけ言った。
秀平は首を横に振ると私に手を上げる。
ボールを投げて、のサインだ。
私はボールを彼に投げながら口を開く。
「ベスト8おめでとう」
秀平は私から受け取ったボールをそのままゴールまでドリブルし、シュートした。
ネットを揺らす音が響く。
私の好きな音だ。
「話って何?」
秀平は私を見ずに、再びボールを手にした。
近所で唯一バスケットゴールのある公園だった。
タケルや秀平に付き合って何度も訪れた場所なのに、近付くに連れて緊張が高まっていくのはきっとそこに秀平がいるから。
近くまで来るとバスケットボールのドリブルの音が響いてくる。
私は深呼吸をした後、最後の角を曲がった。
公園には秀平が一人。
彼が放ったボールはゴールの枠に当たり、私の足元へ転がってきた。
私はそれを拾うと、
「試合の後で疲れてるのにごめんね」
やっとのことでそれだけ言った。
秀平は首を横に振ると私に手を上げる。
ボールを投げて、のサインだ。
私はボールを彼に投げながら口を開く。
「ベスト8おめでとう」
秀平は私から受け取ったボールをそのままゴールまでドリブルし、シュートした。
ネットを揺らす音が響く。
私の好きな音だ。
「話って何?」
秀平は私を見ずに、再びボールを手にした。