恋する手のひら
敵わない奴 (秀平side )
文化祭当日、実果はパンフレットを見ながら何やら楽しそうにしている。
「焼きそば食べたいな。
あ、でも寒くなってきたからおでんも外せないね」
パンフレットとにらめっこしながらくるくる表情を変える実果に、俺は笑ってしまう。
「調子に乗って食ってると、太るぞ。
最近体重増えたってぼやいてなかったっけ」
「いいの、最近勉強ばっかでストレス溜まってたし。
文化祭のときくらい思う存分楽しむの」
実果がぷぅっと頬を膨らませるので俺はまた笑ってしまう。
いつも同じようなこと言って、ストレス発散させてばかりいるような気がするけど。
なんて余計なことを言えば怒らせるだけなので、そんなことは口にしないに限る。
「タケルは何食べたい?」
実果は隣にいたタケルにパンフレットを見せる。
「───俺はパス。
なんせ、文化祭の実行委員で忙しいから」
タケルは腕に付いてた腕章を指差して言った。
「焼きそば食べたいな。
あ、でも寒くなってきたからおでんも外せないね」
パンフレットとにらめっこしながらくるくる表情を変える実果に、俺は笑ってしまう。
「調子に乗って食ってると、太るぞ。
最近体重増えたってぼやいてなかったっけ」
「いいの、最近勉強ばっかでストレス溜まってたし。
文化祭のときくらい思う存分楽しむの」
実果がぷぅっと頬を膨らませるので俺はまた笑ってしまう。
いつも同じようなこと言って、ストレス発散させてばかりいるような気がするけど。
なんて余計なことを言えば怒らせるだけなので、そんなことは口にしないに限る。
「タケルは何食べたい?」
実果は隣にいたタケルにパンフレットを見せる。
「───俺はパス。
なんせ、文化祭の実行委員で忙しいから」
タケルは腕に付いてた腕章を指差して言った。