恋する手のひら
「ごめんね、勝手にストラップにしちゃって。
すぐにネックレスに戻してもらうから」

だけど秀平は意外にも首を振った。

「いいよ、そのままで」

「でも…」

初めてもらった秀平からのプレゼントだから、絶対ネックレスとして持っていたい。
そう言おうとしたところで、秀平に遮られた。

「次はもっといいの買ってやるから」

秀平の何気ない一言に胸が熱くなる。

それって、来年の誕生日も一緒にいられるってこと?
これからも私が側にいるのを当たり前に思ってるってこと?

嬉しすぎて涙が浮かびそうになる。

「なんて。
本当はそんなかっこいい理由だけじゃないけど…」

私が感動して泣きそうになったのを見て、秀平は目を逸らす。
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