恋する手のひら
「そんなの、いつになるか分からないよ」

秀平の存在が大きすぎて、今はまだタケルをそういうふうには見れない。

なのに、タケルは自信あり気に笑う。

「今までこんだけ待ったんだ。
この先多少待たされたって、大差ねぇよ」

タケルが私の手を掴む。

「俺を選んでくれるなら、俺はお前を泣かせたりしない」

私の手をすっぽりくるんでしまうタケルの手の温もりが、私の心を掻き乱す。

「俺はお前を、絶対幸せにする」

何を言えばいいのか分からない。

「タケル…」

「俺はずっとお前の側にいる。
今までも、これからも。
不安になんかさせない、約束するからな」

タケルはそう言うと、いつもの笑顔に戻って家の中に入って行った。

タケルの姿が見えなくなっても、私の動悸は収まらない。

さっきの言葉が頭から離れなかった。
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