恋する手のひら
「…俺はさっきのピアスの方がいいと思うよ」
俺は適当な理由をつけて希美の興味をそらそうとする。
タケルが実果にあげたのと同じネックレスをさせることに抵抗があるなんて。
我ながらなんて心が狭いのだろう、とは思うけど。
「そう?
秀平がそう言うなら…」
希美は少し残念そうにつぶやくと、
「じゃあピアス見せてもらおっと」
店員に声をかけに、俺の元を離れた。
一人になってため息をつく。
別に希美が欲しいものをあげればいいのに。
実果と同じものを身につけたって構わないのに。
実果はタケルの彼女。
そう割り切ろうとしてるのに、どうしてもできない。
自分の気持ちに気付いたあの日から、実果のことが頭から離れない。
鏡の前で、ご機嫌な様子でピアスを耳に当てる希美を見て胸が痛む。
「じゃあピアスにするね」
気を使わせてしまったことを申し訳なく思いながらも、俺は店員に会計を頼んだ。
俺は適当な理由をつけて希美の興味をそらそうとする。
タケルが実果にあげたのと同じネックレスをさせることに抵抗があるなんて。
我ながらなんて心が狭いのだろう、とは思うけど。
「そう?
秀平がそう言うなら…」
希美は少し残念そうにつぶやくと、
「じゃあピアス見せてもらおっと」
店員に声をかけに、俺の元を離れた。
一人になってため息をつく。
別に希美が欲しいものをあげればいいのに。
実果と同じものを身につけたって構わないのに。
実果はタケルの彼女。
そう割り切ろうとしてるのに、どうしてもできない。
自分の気持ちに気付いたあの日から、実果のことが頭から離れない。
鏡の前で、ご機嫌な様子でピアスを耳に当てる希美を見て胸が痛む。
「じゃあピアスにするね」
気を使わせてしまったことを申し訳なく思いながらも、俺は店員に会計を頼んだ。