heart**
山田さんは
あたしが毎日遅くまで仕事をしても
歩いて帰っていることを知っていた。
だからかな
女の子だからって心配して
送ってやろうか?
って言ってくれたことが何回かあったけど
あたしは全て断っていた
あたしには彼氏がいたし、
山田さんにも奥さんと子どもがいたから。
秋になったある日のこと
あたしはまた山田さんに
送ってやろうかと言われていた。
あたしは、
いつからか山田さんのことが
好きになっていた。
一緒に二人でいる時間が欲しくて
あたしはその言葉に甘えることにした。