春待つ花のように
軍人の寮に一番近い、隠し通路から出てきたゼクスに鋭い刃を向けて立っていたロイ。ゼクスも腰につけている剣に手をかけた。
「貴方をずっと斬ってやりたかった…やっとその願いがかなう」
ロイはそう言うと、足を踏み込んで斬りかかってきた。ゼクスも、両足に力をいれると剣を抜いてその刃を受け止めた。
「貴方のせいで、ずっと隊長は苦しんできたのだ。だから貴方は死ぬべきなんだ」
刃のむこうでロイは言葉をぶつけてくる。剣にはいっそう力がはいる。受け止めているゼクスの剣が悲鳴をあげながら、震え始めた。
「死ぬべき人は貴方の方ですよ、ロイ隊長」
低い声がロイの後ろからしてくると、彼の目が白目を向き倒れていった。そしてゼクスの前には違う男の姿が目に飛び込んできた。
「誰?」
「ユズキ…ガーネの弟と言えばわかりますよね?」
ゼクスは瞳を大きく開けると、懐かしい表情になった。
カインのことを慕い、よく小さい体で彼の後を追いかけていた。その情景を思い出すと、ゼクスは温かい気持ちになった。
「貴方をずっと斬ってやりたかった…やっとその願いがかなう」
ロイはそう言うと、足を踏み込んで斬りかかってきた。ゼクスも、両足に力をいれると剣を抜いてその刃を受け止めた。
「貴方のせいで、ずっと隊長は苦しんできたのだ。だから貴方は死ぬべきなんだ」
刃のむこうでロイは言葉をぶつけてくる。剣にはいっそう力がはいる。受け止めているゼクスの剣が悲鳴をあげながら、震え始めた。
「死ぬべき人は貴方の方ですよ、ロイ隊長」
低い声がロイの後ろからしてくると、彼の目が白目を向き倒れていった。そしてゼクスの前には違う男の姿が目に飛び込んできた。
「誰?」
「ユズキ…ガーネの弟と言えばわかりますよね?」
ゼクスは瞳を大きく開けると、懐かしい表情になった。
カインのことを慕い、よく小さい体で彼の後を追いかけていた。その情景を思い出すと、ゼクスは温かい気持ちになった。