アサガオ
二
ある朝、出かけようとしたみっちゃんの目に、枯れそうなアサガオが映った。
つぼみもいくつかあった。
「なんだ、あげなくったってつぼみもあるし、また咲くんじゃない」
みっちゃんはそのまま、友達の家に遊びに行った。
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「みっちゃん、わたしのアサガオきれいに咲いたんだ。色も毎日ちょっとちがうんだよ」
あつまった友達は、みんなアサガオに水をあげていた。
こんな色の花が咲いた、写真を撮った・・・・・
楽しそうな友達を、みっちゃんは退屈そうにみていた。
「アサガオなんて、そんなに毎日世話をしなくたって花が咲くし、大体、早起きしてまで水なんかあげるのめんどう」
みっちゃんは自分のアサガオの話をした。水なんてあげなくても咲くし、つぼみもつく。
友達の一人が、さびしそうに呟いた。
「でもね、みっちゃん。つぼみのまま枯れてしまったら、かわいそう」
本当に、さびしそうだった。
「かわいそう?アサガオに感情なんてないよ、変じゃないの?」
みっちゃんは、つまらなくなって家に帰った。
さびしそうな友達の名前は、なんだっけ・・・・・・