アサガオ


 振り向くと、お腹の大きな女の人がいた。赤ちゃんを抱いている。


 赤ちゃんはぐったりしていた。


 「でも・・・・・・これしかないから」

 「赤ちゃんに、少しだけでいいんです」


 みっちゃんは、また水が降ってくるだろうと思って、赤ちゃんの方に近づいた。

 すると赤ちゃんが手をパタパタ動かして、みっちゃんの手の中の水をこぼしてしまった。

 また両手に水がたまると、赤ちゃんに手を近づける。
でも赤ちゃんは手を動かしてみっちゃんの水をこぼしてしまった。



 何度も何度もくり返すうちに、赤ちゃんは泣き出してしまった。


みっちゃんは嫌になって



 「もう、知らない!」




 怒って走り出した。
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