アサガオ

 「あ!」


 走っているうち、転んでしまった。

 水もこぼれて膝もすりむいた。


 「もう、のどが渇いてるのに・・・・・・あれ?水が降ってこない」



 何度両手を合わせても、どんなに上を眺めていても、水はもう降ってこなかった。


 みっちゃんはトボトボ歩き続けた。



 「のどが渇いた・・・・・・のどが渇いたよ」


 「水、水をください」



 目の前に、一人の女の子がいた。


 その両手には、水がたまっている。

 みっちゃんはもう一度言った。


 「水をください」

 女の子は振り向いた。
 「え?」

 みっちゃんは驚いた。


 振り向いたのは、みっちゃんだった。


 「もうだめ!私だって飲みたいもん」


 走って行ってしまった。

 さっきのみっちゃんと、今までのみっちゃんと同じように。



 みっちゃんはただ呟いた。





 「水をください・・・・・・」



















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