初恋の実らせ方
「―――何だよ…、言えよ」


ここまで態度に示してしまえば、英知の気持ちが彩にばれるのは当然だ。


そもそも、あれほど分かりやすい英知の気持ちが今まで伝わらなかった方がおかしかった。
なのに。


彩は苦笑した後、口を開いた。


「英知ってバカだよ、相当なお人好し。
それもお兄さん思いのね」


「―――え…?」


英知は言葉を失った。


彩を思ってした全てのことを、本人は全く理解していない。
それどころか、勝手に誤解して英知を笑う。


これほど目に見えて彩を気に掛けているのに、どうして彩はその思いに気付かないんだろう。


―――それほどまでに、自分は彩の恋愛の対象外なんだろうか。
英知はそう思うとやり切れなかった。


「お前、本気で言ってんの?」


「?
うん、だって実際―――」


「ふざけんなよ!
何考えてるんだよ、お前…」


英知は吐き捨てるように言った。
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