初恋の実らせ方
「やっぱり賭けは私の勝ちだ」


「どういうこと?」


聞かれると黙っていられず、彩は昨日の英知との賭けのことを話してしまった。


それを聞き終えた啓吾は、くだらない賭けをするなよ、という言葉を堪えて溜め息を吐く。


「それで様子がおかしかったのか…」


「英知にどんな仕返ししようかな」


彩が満面の笑みを浮かべたのを見て、啓吾はでも、とつぶやいた。


「信じてくれてるとこ悪いけど、俺も男だよ?」


「え…」


彩はとっさに後ずさる。


「いやいや、無理矢理そんな真似しないけど。
状況に応じて…ね」


あっさり肯定した啓吾に、彩は驚きを隠せない。
啓吾だけは違うと思ってたのに。
< 33 / 184 >

この作品をシェア

pagetop