石川啄木の歌を読む (1)

14.たはむれに・・・


たはむれに母を背負(せお)ひて
そのあまり軽(かろ)きに泣きて
三歩あゆまず


 ふるさとに
 背を向け暮らすこの身をば
 健やかなるを母は願いし
 (一郎)'04.1.17

 戯れに
 母と歩けば負けるかも
 事故で傷めた我が足なれば
 (一郎)'06.9.8

 足腰が弱ってからも
 母は毎年開かれる高女時代の同窓会に
 出席するのを楽しみにしていた
 ある年、京都での同窓会に出席する母を
 新幹線のホームに迎えに行き
 出口までの長い階段を母の手を取り
 降りたことがあった
 その翌年の同総会から母は
 もう出席しなくなった
 [ 一郎 ] '08.4.29


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