猫のワルツ
「先輩!!それください」

「嫌だよ」

「なんで!?」

「俺がどれだけ苦労してこれを手に入れたか分かるか?」

「授業サボって向かいのコンビニ行っただけでしょ」


菜都美が拗ねたような顔をする。
龍史は菜都美のほっぺを押しつぶす。


「俺にとったらデカい冒険だったの」

「え~…」


少し恨めしそうに、龍史が持つポテトチップスの袋を凝視する。
龍史は菜都美とは反対を向いてしまった。


「なっちゃん、これあげるよ」

「ほんとですか!?」


亮にチョコレートを渡される。
菜都美はお菓子が大好きだ。


「ありがとうです」

「…、タマ」

「はい?」

「ほら、やるよ」

「え、ほんとですか?」

「どうぞ」

「ありがとうございます!!」


菜都美の満面の笑みと、龍史の行動。
亮は親のような気持ちになって微笑ましく感じていた。
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