猫のワルツ
「お前ら本当、仲良いな。はたから見たらラブラブだぞ」

「ラブラブって」


龍史が笑う。
菜都美は一瞬、落ち込んだ顔はしたがすぐに笑顔になる。


「私だってもっと優しい人が良いです~」

「俺は優しい。だからモテるんだよ」

「…完ぺきに自意識過剰じゃないですか!!」


そんなやりとりを見て、亮は呆れたような顔をする。


「痴話ゲンカするなよ」

「痴話ゲンカじゃないだろ。タマがガキだから」

「タツもガキだろ?」

「言われてやんの~」


菜都美がバカにしたように、龍史を見た。


「いや、なっちゃんも充分にガキだからね」

「…えっ?」

「ふはっ」


菜都美のマヌケ面。
それを見て、龍史は思わず吹き出してしまった。


「なんで笑うんですか!!」

「それより、タマは遠慮って言葉を覚えろよ」

「え?」

「俺のポテトチップスが…」


ため息をつく龍史。
龍史のポテトチップスは、ほとんど菜都美が食べてしまった。
< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop