Don't allow me.
一旦、楽屋に戻り衣装を脱ぐ
「あ、彰、取材はこの局でするのか?」
楽屋の扉の向こうにいるであろう彰に
少し、声を張って呼び掛ける。
「そうだよ、取材が終わったらそのまま雑誌の撮影だよ」
その言葉を聞きながら
用意されていた衣装に着替えた。
取材は嫌いだ…
根掘り葉掘り聞かれるのが好きじゃない。
だから、雑誌の取材や撮影は
一社しか受け付けていない。
そうして欲しいと
頼み込んだんだけど…
「和芭くん」
「ん?」
「次の曲は出来そうかい?」
「どうだろうなぁ~」
着替えが見計らって
彰が静かに楽屋に入ってきた。
僕はソファーに座り
携帯の電源をONにした。
数少ない友人からの食事の誘いのメール
僕の身体をしい音が響き渡り、ベッドがぎしぎ労るメール
そして、父親からの着信履歴。
今の仕事を始めて
1年弱は、録に顔を見せていない。
正直な話、あの家にあまり行きたくはない。
思い出が、ありすぎるから…
「書くのが辛いなら無理しなくて良いんだぞ?」
「無理なんかしてねぇよ」
「しかし…」
「僕の言葉にはそれなりに偽りがある。」
彰はなんとも言えない表情に顔を歪ませた
そんな、彰に笑みを贈った。
「だけど、僕の書く歌に偽りはない…」