Don't allow me.
碧は、小さい頃から花が大好きだった。
そんな碧は、花の名前をすべて覚え
尚且つ花言葉までも記憶していた。
「また来るわね」
「はい!お待ちしてます!」
常連のお客は、チューリップの球根を購入して
お店を後にした。
お客の姿が見えなくなると
碧は再び花の手入れを再開させた。
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碧が、花の手入れを一通り終わらせた時
お店の扉が開く音がした。
「ーーーーーっ」
お店に入ってきた人を見て
碧は、思わず息を飲んでしまった。
その人物の圧倒的な存在感に
碧は一瞬にして目を奪われてしまったのだ。
「あ…お店の子?」
「は、はい…」
「スターチス って花はあるかな?」
「え、あっ、ありますっ!」
凛とした透き通るような声に
碧は、挙動不審になってしまった。
「人に贈りたいんだ、花束にして貰えるかな?」
「はい!少しお待ちください!」
碧は、花束を作るための作業を始めた。