Don't allow me.




碧は、小さい頃から花が大好きだった。
そんな碧は、花の名前をすべて覚え
尚且つ花言葉までも記憶していた。



「また来るわね」

「はい!お待ちしてます!」




常連のお客は、チューリップの球根を購入して
お店を後にした。

お客の姿が見えなくなると
碧は再び花の手入れを再開させた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー





碧が、花の手入れを一通り終わらせた時
お店の扉が開く音がした。



「ーーーーーっ」



お店に入ってきた人を見て
碧は、思わず息を飲んでしまった。

その人物の圧倒的な存在感に
碧は一瞬にして目を奪われてしまったのだ。



「あ…お店の子?」

「は、はい…」

「スターチス って花はあるかな?」

「え、あっ、ありますっ!」



凛とした透き通るような声に
碧は、挙動不審になってしまった。



「人に贈りたいんだ、花束にして貰えるかな?」

「はい!少しお待ちください!」



碧は、花束を作るための作業を始めた。






< 19 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop