Don't allow me.
(どこかで見たことある…ような…)
碧は、作業をしつつ
店の中を見て回る客を盗み見た。
圧倒的な存在感
スラッとした立ち姿。
その横顔には、少し愁いを帯びていて
それが、独特な色気を醸し出していた。
嫌味を感じない佇まい。
「出来ましたか?」
「あっ、えっ!?」
ぼんやりと客を眺めていた所為で、
碧は目をキョロキョロさせた
そんな、碧の姿に
客はクスクスと優しく微笑んだ。
笑われた事と
その微笑みの綺麗さに
碧は、顔が暑くなるのが判った。
「ごめんなさいっ!!もう少し待って頂けますか!?」
「大丈夫ですよ」
急いで続きを始める碧。
そんな碧を客はただ、見つめていた。