Don't allow me.
「すいませんでした…お待たせしてしまって…」
「大丈夫ですよ、今日は時間に余裕があったから」
そう言われて碧は、気まずそうに笑った。
「…綺麗だ…ありがとう」
「スターチス…花言葉は“変わらぬ心”…」
碧は無意識の内に呟いてしまった。
「……“変わらぬ心”か」
「すいません、勝手に…」
「いや、花言葉を知れて良かったよ。また、花を買いにくるよ」
「ありがとうございますっ!」
客は碧に俺を告げると
碧に背を向けて歩き出した。
「あ、あのっ!!」
反射的に呼び止めた。
「名前を…聞いてもいいですか?」
碧の言葉を聞いて
客はきょとんとした後
ふわり、と笑った。
「一宮和芭です」
An oath is built to this bouquet.
(この花束に誓いをたてる)