Don't allow me.
睡魔と頭痛を抱えながら
麻賀は忙しなく人々が歩く街中を
ゆっくりと、しっかりと、
歩を進めていた。
ボンヤリと、何を思うわけでもなく
ただただ、街中を歩いていた
ーーーーーーー…していた。ーーーーーー
(……唄…?)
何処からか聞こえた唄に
麻賀の足は自然と歩くのを止めた。
ーーー信じていたんだ。
君と永久に歩く未来を。
ただただ、信じていたのに
君と歩けると信じていたのに。
神様、どうして
僕たちから未来を奪った?
今にも、泣いてしまいそうな
悲痛な歌声に
麻賀は胸が締め付けられる思いだった。
きっと、神は奪った訳じゃない。
ソレは、運命だったんだ。
避けようのない、悲しい運命に
耐えられなかったんだ。
ーーーただ、君を返して欲しくて
ただ、君にもう一度会いたくて
神よ貴方を殺せないなら
僕は貴方を恨み続けよう
その為なら、僕はっ…
そこで、唄は聞こえなくなった。
麻賀は再び歩き出した。
その瞳から
一筋の雫を溢しながら…
I am, and it does not matter to sell a heart to the devil either.
(悪魔に心を売ることもい問わない)