Don't allow me.
「此処はカフェもしてるんだね」
「そうですよ…いつも心が疲れた人たちが
癒しを求めて此処で一休みしていくんです」
「癒し…か…」
「一宮さんも、どうですか?」
「…そうだね…一休みして行こうかな」
碧は、和芭を
花で囲まれたテーブルに案内した。
「何を飲まれます?」
「ミルクティーを」
「分かりました!」
碧は、小走りで店の中に戻っていった。
そんな碧の後ろ姿を
和芭は見送った。
そして、煙草を取りだし
おもむろに煙草に火を付けた。
空を見上げた。
雲ひとつない空に
もう、この世には居ない片割れを想った。
(生きていたなら…)
ずっと二人で居れたのに。
二人で他愛もない話をして
無邪気に笑いあって居れたのに。
(どうして…隣に居ないんだ…)
和芭は、唇を噛み締めた。