Don't allow me.
日常
夢を、みた。
弟の和梛くんが、
僕の手を握り、悲しそうに笑っていた。
脳内に響く目覚まし時計の音に
僕は、重たい瞼を持ち上げた。
部屋に広がる朝日。
引き戻される現実。
夢現な状況の中、携帯が着信を知らせた。
「はい?」
電話にでれば、相手は
少し焦ったように僕に支度を急がせた。
適当に返事をしつつ、通話を切り
ベッドから、足を下ろせば
ひんやりとしたフローリングが、
妙に寂しさを痛感させた。
「……………チッ」
忌々しく舌打ちを響かせ
寝室から出て、シャワーを浴びるために
お風呂場に向かった。