薬指のダイヤ
始まり

ジャリ……

「もう…お金なんてないですっ」

「出せよ??

まだ沢山持ってんだろ??」

あたしの存在に気づかない

馬鹿な奴ら…。

「出せッつってんだろ!?」

「離せよ」

「あぁ!?」

すごい血相してこっち向いたくせに

あたしを見たら…

「すっ…すいませんでした‼‼」

そう言って逃げていく…。

負け犬。

「大丈夫??」

「はい。ありがとうございました」

そう言って軽くお辞儀をして

走り去っていく男子生徒。

「ったく…」

金…。

落してってんじゃないよ。

とか言いつつ…。

返すの面倒だし。

もらっとくか。

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