薬指のダイヤ

「大丈夫」

「大丈夫じゃねぇだろ!?」

「うるせぇ‼‼」

今はこんなやって

取り乱してる場合じゃないのに。

「おい‼‼お前、薬は!?」

「…戻って…くると…思って…なくて

用意…して…ねぇ…ん…だ」

上手くしゃべれなくて。

それでも櫂兎が

いつも以上に慌てて

それだけは読み取れる。

「何やってんだよ、お前は」

「い…らねぇ…よ。」

「何言ってんだ」

「すぐ…なお…る」

こんな弱い自分

なくしたハズなのに。

マジで・・・。

何なんだよ。

徐々に治まってきても

全身の震えが止まらない。

「保健室行くぞ」

そう言ってあたしは

櫂兎に無理やり

保健室に行かされた。

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