薬指のダイヤ
戦場地
サビきったドアを蹴って
中に入る。
「達弥ぁぁぁぁ――‼‼」
あたしがそう叫べば
あの昔と変わらない
「来たか。璃麻」
その低い声が
あたしを狂わせる。
「何たくらんでんだよ。
クソ野郎‼」
「クソ野郎はどっちだ??あぁ??」
「うるっせぇんだよ‼」
とにかくあたしは
こいつの1つ1つが許せなくて。
それでもこいつを見た瞬間。
赤髪の頭も
ピアスの数も
指輪の数も
あの時から何1つ変わってなくて。
手が震え始める。
自分自身の弱さが
相手に伝わってるんじゃないかって
怖くて怖くて…。
そんな時。