薬指のダイヤ

「俺らの為に…

わざわざ自分の体にっ…

傷つけてんじゃねぇよ‼‼」

泣き叫ぶ、

櫂兎の声が聞こえる。

だけど。

「達弥。かかってこいよ」

「遠慮なく」

そう言ってあたし達の…いや。

あたしと達弥の

タイマンが始まる。

相手は…。

鋭い金属の棒をもってる。

運が悪ければ…。

大怪我だってする。

それでもあたしは…。

皆を守るためならなんだって出来る。

男と女じゃ力の差が大きいのは

充分知ってたはずなのに、

こんなにも早く

体力がなくなっていくなんて。

そして、一瞬。

気を緩めた隙に

「「璃麻っ‼‼」」

背中を思いっきり殴られて。

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