薬指のダイヤ


起きた場所、

それはユウの家だった。

「……って」

起きようとしたのに

背中に激痛が走って

力なく倒れる。

「起きたか」

そう言ってユウがあたしのところに

近寄ってくる。

「悪い…。なんか色々と」

「何言ってんの??

俺ら守ってくれた奴を

看病しないわけにはいかないっしょ」

そう言ってユウは

あたしにコーヒーを差し出す。

「飲める??」

「あぁ…。ちょい、起こして」

そう言ってユウに起こしてもらって

コーヒーを飲む。

「……ユウ」

「ん??」

「ホント…悪かった」

あたしが言葉を発した時のユウの顔は

いつも以上に苦しそうで。

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