薬指のダイヤ


「ただいま…」

旅行のせいで

疲れ切った体で家に帰って

いつも通り部屋に入ろうとしたのに。

「なんで…??」

何でリビングの電気が

ついてんだよ??

「誰だよ」

そう言ってあたしは

荷物を放り投げ

リビングへと足を進めた。

でも…

そこに待っていた人物

それは

「親父…。母さん」

あたしの両親だった。

「なんでいんだよ」

あたしの手が…

震え始める。

「親に向かって…

なんて口聞いてんだ」

そう言った父親の声は…

怖いぐらいに低い。

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