薬指のダイヤ

あたしはここに来ても

自分で金は払わない。

そのかわり他の場所では

金はしっかり払う。

「しっかしお前も…

よくこんなに遊びまわってて

ニュースになんねぇよな」

ちょっとしたカクテルを飲みながら

櫂兎があたしに言う。

あたしの家は…。

世界に通用する

会社だから。

それでも親に捨てられているから

ニュースにはならない。

毎月の仕送りは

100万以上だ。

「関係ないだろ??あんな奴ら。

仕事が恋人って奴なんだから。」

別に寂しいなんて

今さら思わない。

むしろ自由なんだ。

それだけでありがたいね。

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