言ノ葉戯レ


黒髪に茶色の瞳なんてどこにでもいるような男だが、この男だけは何かが違った。




娘にもそれはよく分からない。




ただ、一つ分かるのはこの男は“不思議”、と言う事だけだ。




「娘、」




「…は、はい…!」




男に見惚れていたら、突然問いかけられた。




いつの間にか、娘から空へと視線を移していた男の発した“娘”とは自分の事だとすぐに分かった。
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