柾彦さまの恋
 
 夏の強い陽射しの中では、光祐さまの力強い愛に抱かれて安心していた姫。

 二人の側に居ることが喜びでもあり、哀しみでもあった。



 秋桜の花咲く川原では、まるで、天女が羽衣を纏うように佇んでいた美しき姫。

 茜色に染まる美しい横顔を見つめて、思わず愛してしまいそうになる気持ちを懸命に押さえた。


 毎年、姫から贈られる桜の紅い落ち葉は、木箱の中に大切に保存した。

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