先輩の妹


――15分ほど待っていると椎はケーキの箱を抱えて戻ってきた。


「ただいまー…はい、これ」

駆け足で戻ってきたと思うと俺の目の前にケーキの箱とは違う何かが差し出された。

俺は一瞬理解できない。

「…?」

「何そのアホ面…、クレープだよ」

俺に無理やりそれを持たせると椎はまた自転車の後ろに乗った。

「送ってもらうのは覗きの借り!

それは寄り道お礼代。」

「…」

「…甘いの嫌いだった?」

「いや、そんなことは」

「じゃさっさと食べて送ってって」


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