先輩の妹


―…


再び自転車をこぎだす。

ケーキを見ながら椎が呟いた。

「記念日は家族でお祝いなの。

南都も早く帰ってこれたらいいんだけど…」

「仲良いんだな」

「まぁね」





それからはしばらく無言の状態が続いた。

夕方の春の風が頬をかすめていく。

とても心地いい風だった。

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