先輩の妹
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――…
「いやーたか、昨日はありがとな」
「あ、いえ」
放課後、部活で顔を合わせると南都先輩は申し訳なさそうに言ってきた。
「ケーキ屋も連れてってくれたんだろ?」
「あ、はい」
あのカラフルな店はやっぱりケーキ屋だったのか。
「おかげで親喜んでたよ。
椎も嬉しそうだった。」
「お祝いできたんすね、よかったです」
俺の頭に椎の笑顔が浮かぶ。
「南都ー!今日は外周からかー?」
他の3年生が南都先輩に聞く声が聞こえた。
「おー!5周な!」
南都先輩は大きな声で答える。
「よし!じゃ俺らも行くか」
「そうっすね」