先輩の妹


「おい、ドコいくんだよ、遅刻すんぞ」


そう問いかけると加賀は俺の方をふりかえって口に人差し指をあてシーっと言った。


俺の言葉を無視して加賀は学校裏の倉庫の方に近づいていく。


何だと思いしばらくその場に黙って立って加賀の様子をうかがった。



どんどん進む加賀は校舎の壁に隠れながら倉庫の方を覗きこんでいる。


「(…何してんだよ?)」


連れ戻すために加賀に近づくと加賀がこっちを見て手招きしながら小さな声で言う。


「…面白いの発見!」


「(…は?)」


大したことじゃないとわかっていたが、そっと近づき加賀が覗いていたほうに目を向ける。
< 4 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop