先輩の妹

「昨日とかもさ、椎お祝いするってはりきってて。

家族大好きな椎に俺もちゃんと一緒にケーキ選んだりして祝おうと思ってたんだけど

結局昨日一緒に行けなくてすごい心配になって」

「心配?」

南都先輩が自嘲気味に笑ったのが気になって俺は理由を聞いた。

「あいつ時々寂しそうにするから。

家族大好きなぶん、いろいろ考えるんだ。

壊したくないって気持ちも誰より強いみたいで

すぐ落ち込んだりする。」

「それがすごい心配」と言って南都先輩は遠い目をした。

「妹思いすね」

俺はそんな先輩を見て他の誰よりも兄貴らしい人だと思った。
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