先輩の妹


「……そっか、…その、ありがとう」

小松が小さい声で言う。

加賀が「あらら…」と呟いた。


「いえ、…失礼します」

そう言って軽く一礼すると地面を見つめる小松を一人残しこちらに向かって一年生は歩き出した。


「…あれ、あの子」


ちょうど顔が見えたようで加賀がまた呟いた。


思ったよりはやく歩く一年生はこちらが視界に入ったようで少し止まったがまた歩き出す。


「やば。目あっちゃった。どうしよ」


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