こおりみず
風がふいた。

真夏の風は気持ちいい。

そういえば、私がスケートをはじめたのも、

風をきってすべることが、

気持ちよくて、なんかワクワクして、習いたいとおもったんだよね

今はこんなザマだけど。

私だってあきらめてるわけじゃない。もっと上手になりたいよ。

でも、そこまでの道のりはとおくて、なかなかたどり着けないんだ。

はぁ··。ダメだ。嫌なことばかりかんがえてる。

はっと我に返ると、シーンとしてた。

そんな沈黙を破ってきたのは、廉汰君だった。

「なぁ···。苺ってさ、好きな奴いんの?」

は??いきなり?まぁ··うちの幸せをわけてやらんことはないかぁ

「えへ。好きな人、いるよぉ!付き合ってます!!」

「!···。」

一瞬おどろいた顔をしたが、その後、寂しげにわらった。

「そっか。じゃあ苺は幸せなんだな。」

「え··うん。」

実はと言うと··
最近愛されてる感じがしない。…。
私が大好きでも相手ははなれていっちゃうのかなぁ··。

ちょっぴり、悲しいし、幸せじゃない気がするんだ。

「あーもう戻らないとだよ。15分集合だよね?!いこ!」

「ん··。」

いつもクールな廉汰君がいつもより、クールにみえた。

ううん。『冷静』をよそおってるみたいだった。

バスに戻ると、リカちゃんが、疲れた顔をして座っていた。

「もー。リカちゃんどうしたの?」

「··まーい。」

「んー?」

「バスの道のりはながいねぇ。」

「あぁ。うんうん。ながいよねぇ。退屈でつかれちゃうよね」

「わかってくれたの苺だけだよー!うう。」

「もう少しでつくらしいから。がんばろ!」

「うん」

そして、またバスは動きだした。
< 4 / 33 >

この作品をシェア

pagetop