冬色の後悔─大好きな、あなたへ─

するとそこには、目がクリッとした、さらさらの黒髪をポニーテールでまとめた、爽やか美少女が立っていた。


(あ、あの子.......)


「おぉ、今行く」


そして伊織は、その子の下へ小走りで行ってしまった。


その後ろ姿が、私に別れを告げているようで、思わず目をそらした。


何故かはわからない。


ただ、伊織がそのまま、どこか遠くへ行ってしまうのではないかという感覚に陥った。


「あの子って、男バスのマネージャーの夏摘 沙織(なつみさおり)じゃない?」


美羽がこそこそ声で私の耳元で囁く。

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