冬色の後悔─大好きな、あなたへ─
第1章
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──それは、私達が中3の受験を控えた冬真っ只中だった。
「いーおりっ!!!勉強教えてー!!!!!」
いつものように、自分の部屋の窓から隣の家の窓へ飛び移る。
「清華、お前俺以外に教えて貰える人いないのかよ......てかまず、窓から入ってくんなって何回も言ってるだろ」
そう言って呆れているのは、杉本 伊織(すぎもといおり)。
「どーせあたしゃ寂しい女ですよーだっ!!!!」
そう言われてふてくされる私、星川 清華(ほしかわさやか)。
窓のことは...........敢えてスルーすることにした。
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私達は、世間で言う『幼なじみ』というヤツだ。
伊織ママと私のママが、小中高と一緒の学校で、私と伊織は家が隣同士でおむつの頃からの腐れ縁だった。
よくあるベタな話だけど、伊織とはホントの兄妹のような絆があったし、これからもずっとこの関係は続いていくと思っていた。